このブログは、関西の小劇場系劇作家でもあるGockyが、少し怪しい感じの短編を、思い付くまま20文字10行でまとめあげる、ブログです。原稿用紙の半分、たったの200文字。詩と考えても短い200文字。思いのほかハードルは高く、難しいですが、ショートショート作品集としてお楽しみいただければ幸いです。
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「もうそろそろいいんじゃないの?」
と、僕は彼女にそう言った。
「まだ、水が白く濁るから」
と、彼女は答えた。
これが、潔癖症というやつなのだろうか?
もう三十分、彼女はお米を研ぎっぱなしだ。
……いつの間にか、ウトウトしてしまった。
時計を見ると、既に三時間が経過していた。
米はすっかり擦り切れて無くなってしまい、
何も入っていない水を彼女は研ぎ続けていた。
と、僕は彼女にそう言った。
「まだ、水が白く濁るから」
と、彼女は答えた。
これが、潔癖症というやつなのだろうか?
もう三十分、彼女はお米を研ぎっぱなしだ。
……いつの間にか、ウトウトしてしまった。
時計を見ると、既に三時間が経過していた。
米はすっかり擦り切れて無くなってしまい、
何も入っていない水を彼女は研ぎ続けていた。
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あれだけたくさんいた僕の家族も、
みんなバラバラになってしまった。
今日はたった4人だけの
さびしい晩餐会。
「お前が結婚でもしていてくれたらなあ。」
と、僕をなじるのは、父。
「結婚なんて強制するものじゃないわ。」
と、父を咎めるのが、母。
テーブルの上に並んでいるのが一番上の妹。
明日並ぶのが、僕。
みんなバラバラになってしまった。
今日はたった4人だけの
さびしい晩餐会。
「お前が結婚でもしていてくれたらなあ。」
と、僕をなじるのは、父。
「結婚なんて強制するものじゃないわ。」
と、父を咎めるのが、母。
テーブルの上に並んでいるのが一番上の妹。
明日並ぶのが、僕。
あのコが幸せなわけがない。
しかしあのコはいつも笑っているのだ。
僕は思い切って、あのコに尋ねてみた。
「だって子供の頃、いつも笑っていないと、
親に殴られたんですもの。だから、
どんなに悲しいときでも笑う癖がついたの」
続けてあのコはこう言った。
「でも一度だけ本心から笑ったことがあるわ」
その時、僕は急に、あのコの両親が
火事で亡くなっていることを思い出した。
しかしあのコはいつも笑っているのだ。
僕は思い切って、あのコに尋ねてみた。
「だって子供の頃、いつも笑っていないと、
親に殴られたんですもの。だから、
どんなに悲しいときでも笑う癖がついたの」
続けてあのコはこう言った。
「でも一度だけ本心から笑ったことがあるわ」
その時、僕は急に、あのコの両親が
火事で亡くなっていることを思い出した。
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★ 最新コメント
★ プロフィール
HN:
Gocky
HP:
性別:
男性
職業:
演劇人兼デザイナー
自己紹介:
「HQ BRAIN」フリーグラフィックデザイナー。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。