このブログは、関西の小劇場系劇作家でもあるGockyが、少し怪しい感じの短編を、思い付くまま20文字10行でまとめあげる、ブログです。原稿用紙の半分、たったの200文字。詩と考えても短い200文字。思いのほかハードルは高く、難しいですが、ショートショート作品集としてお楽しみいただければ幸いです。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
近年、あまりに幽霊の増加が目に余るので、
本日付けで幽霊化防止条例が施行された。
もしも、死亡後幽霊になってしまった場合、
その遺族に罰金を科すと言うのだ。
幽霊がこれだけ増えたのは、
この世に恨みや未練を持って亡くなる人が
ここ数年、加速度的に増えたからなので、
こんなの根本的な解決にはならないのに。
駐車場も作らずに駐車違反を取り締まる国。
仕方ないか。と、僕は喫煙所を探す。
PR
本日付けで幽霊化防止条例が施行された。
もしも、死亡後幽霊になってしまった場合、
その遺族に罰金を科すと言うのだ。
幽霊がこれだけ増えたのは、
この世に恨みや未練を持って亡くなる人が
ここ数年、加速度的に増えたからなので、
こんなの根本的な解決にはならないのに。
駐車場も作らずに駐車違反を取り締まる国。
仕方ないか。と、僕は喫煙所を探す。
待ち合わせはいつもこの場所だった。
古びた駅の、少し汚れた階段の下。
毎週日曜、いつもここで待ち合わせた。
いつか君は言っていた。
「私死んだらきっとここの地縛霊になるね」
だから僕は、今も毎週日曜、
この駅のこの場所を訪れるのだ。
君はもう、何も言ってはくれないけれど、
ほら、また、後ろから、
君の気配が僕にHUGをする。
古びた駅の、少し汚れた階段の下。
毎週日曜、いつもここで待ち合わせた。
いつか君は言っていた。
「私死んだらきっとここの地縛霊になるね」
だから僕は、今も毎週日曜、
この駅のこの場所を訪れるのだ。
君はもう、何も言ってはくれないけれど、
ほら、また、後ろから、
君の気配が僕にHUGをする。
赤い歯茎に注射針がチクリと刺さり、
私の頬に麻酔液が流し込まれる。
口内と頬の皮膚感覚が徐々に奪われていく。
「麻酔が効くまで少し時間かかりますから、
それまでちょっと説明を聞いてください。」
そう言って先生は、いつもの笑顔のまま、
大きなコレクションケースを取り出した。
ケースの中にずらりと並べられた、
様々な形の何百本もの「親不知」。先生は、
一本一本についての武勇伝を語り始めた。
私の頬に麻酔液が流し込まれる。
口内と頬の皮膚感覚が徐々に奪われていく。
「麻酔が効くまで少し時間かかりますから、
それまでちょっと説明を聞いてください。」
そう言って先生は、いつもの笑顔のまま、
大きなコレクションケースを取り出した。
ケースの中にずらりと並べられた、
様々な形の何百本もの「親不知」。先生は、
一本一本についての武勇伝を語り始めた。
★ 最新コメント
★ プロフィール
HN:
Gocky
HP:
性別:
男性
職業:
演劇人兼デザイナー
自己紹介:
「HQ BRAIN」フリーグラフィックデザイナー。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。