このブログは、関西の小劇場系劇作家でもあるGockyが、少し怪しい感じの短編を、思い付くまま20文字10行でまとめあげる、ブログです。原稿用紙の半分、たったの200文字。詩と考えても短い200文字。思いのほかハードルは高く、難しいですが、ショートショート作品集としてお楽しみいただければ幸いです。
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その部屋に入って僕が目にしたのは、
人の手の形をした、美しい卓上灯だった。
皮膚を透過した柔らかい白熱灯の光が、
その部屋の主である、老人を照らしていた。
「昔、世界一美しい手を持った女性が居た。
私はその手を大変愛していたので、
その手の持ち主が病で息を引き取った時、
その皮膚を、樹脂で固めて残したのだ。」
ランプシェードの薬指に美しい銀の指輪。
老人の左手にも、同じ指輪がはめられていた。
人の手の形をした、美しい卓上灯だった。
皮膚を透過した柔らかい白熱灯の光が、
その部屋の主である、老人を照らしていた。
「昔、世界一美しい手を持った女性が居た。
私はその手を大変愛していたので、
その手の持ち主が病で息を引き取った時、
その皮膚を、樹脂で固めて残したのだ。」
ランプシェードの薬指に美しい銀の指輪。
老人の左手にも、同じ指輪がはめられていた。
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ジェシカが死んでから変な事ばかり起こると
家中の人間が言い出した。困ったものだ。
昨日は、メイドの枕元にジェシカが立ち、
私に殺されたと彼女が告げたと言うのだ。
馬鹿な。この私が愛する妻を殺す訳が無い。
今朝は息子のエドワードが「時計が変だよ。
壊れてるんじゃないか?」と言い出す。
夜中、私は時計の鐘の音を待つ。
リンゴーン、リンゴーン。ほらちゃんと、
きっちり13回、鐘の音が鳴った。
家中の人間が言い出した。困ったものだ。
昨日は、メイドの枕元にジェシカが立ち、
私に殺されたと彼女が告げたと言うのだ。
馬鹿な。この私が愛する妻を殺す訳が無い。
今朝は息子のエドワードが「時計が変だよ。
壊れてるんじゃないか?」と言い出す。
夜中、私は時計の鐘の音を待つ。
リンゴーン、リンゴーン。ほらちゃんと、
きっちり13回、鐘の音が鳴った。
その神の手から逃れる為、私は砂漠を歩く。
幻のように、現れては消え、消えては現れ、
私を導く少女。私は彼女の顔を覚えている。
二週間前、広場で焼かれた、罪無き娘。
魔女裁判。
神の子の教えは、多くの神の子を産んだか。
それよりも多くの、悪魔の子を産んだのか。
"Sand and witch"
例え悪意がこの世の全てを挟み喰らおうとも
喰らう事はできない、この胸の思いを。
幻のように、現れては消え、消えては現れ、
私を導く少女。私は彼女の顔を覚えている。
二週間前、広場で焼かれた、罪無き娘。
魔女裁判。
神の子の教えは、多くの神の子を産んだか。
それよりも多くの、悪魔の子を産んだのか。
"Sand and witch"
例え悪意がこの世の全てを挟み喰らおうとも
喰らう事はできない、この胸の思いを。
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★ プロフィール
HN:
Gocky
HP:
性別:
男性
職業:
演劇人兼デザイナー
自己紹介:
「HQ BRAIN」フリーグラフィックデザイナー。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。