このブログは、関西の小劇場系劇作家でもあるGockyが、少し怪しい感じの短編を、思い付くまま20文字10行でまとめあげる、ブログです。原稿用紙の半分、たったの200文字。詩と考えても短い200文字。思いのほかハードルは高く、難しいですが、ショートショート作品集としてお楽しみいただければ幸いです。
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いつもの地下鉄の一両目、携帯をいじる女。
長い脚を組み、その赤いヒールが目を引く。
停電か、突然車内の灯りが消えた。
暗闇に、彼女の携帯の光だけが揺れる。
光の中に、鎌を持った老人の腕。僕は見た。
その鎌が彼女の心臓をひと抉りするのを。
明かりがつくと既にそこに彼女の姿は無い。
電車を降り、携帯の電源を入れると振動音。
見知らぬアドレスからのメール。「助けて」
どうにもできず、僕は「削除」を選択する。
長い脚を組み、その赤いヒールが目を引く。
停電か、突然車内の灯りが消えた。
暗闇に、彼女の携帯の光だけが揺れる。
光の中に、鎌を持った老人の腕。僕は見た。
その鎌が彼女の心臓をひと抉りするのを。
明かりがつくと既にそこに彼女の姿は無い。
電車を降り、携帯の電源を入れると振動音。
見知らぬアドレスからのメール。「助けて」
どうにもできず、僕は「削除」を選択する。
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幽莉香さんの店は山道の途中にある。
料理の腕は良いが、人通りの少ない山道。
僕がこの店に通い始めて三ヶ月たつが、
未だ、僕以外の客を見た事がない。
今日のランチは鶏肉のトマト煮。
「今日も美味しいです。」そう僕が言うと、
厨房の幽莉香さんはこちらを振り向いて、
「一生懸命育てたから。」と、そう言った。
「トマトの事だよね?」と僕が聞く。
幽莉香さんは、フフ、と笑う。
料理の腕は良いが、人通りの少ない山道。
僕がこの店に通い始めて三ヶ月たつが、
未だ、僕以外の客を見た事がない。
今日のランチは鶏肉のトマト煮。
「今日も美味しいです。」そう僕が言うと、
厨房の幽莉香さんはこちらを振り向いて、
「一生懸命育てたから。」と、そう言った。
「トマトの事だよね?」と僕が聞く。
幽莉香さんは、フフ、と笑う。
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★ プロフィール
HN:
Gocky
HP:
性別:
男性
職業:
演劇人兼デザイナー
自己紹介:
「HQ BRAIN」フリーグラフィックデザイナー。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。