このブログは、関西の小劇場系劇作家でもあるGockyが、少し怪しい感じの短編を、思い付くまま20文字10行でまとめあげる、ブログです。原稿用紙の半分、たったの200文字。詩と考えても短い200文字。思いのほかハードルは高く、難しいですが、ショートショート作品集としてお楽しみいただければ幸いです。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
帰宅した私は、玄関をそっと開け、
眠っている彼の頭に例の装置を取り付けた。
今日パパにおねだりして買ってもらった、
脳波を元に、見ている夢を映像化する機械。
彼の見ている夢がどうしても知りたくて。
コードで繋がれた液晶モニタに映像が映る。
夜道。うっすらと笑っているコート姿の彼。
手に握られているのはナイフだろうか。
足元に、誰かが転がっているのが見える。
画面いっぱいに、血まみれの私が映った。
眠っている彼の頭に例の装置を取り付けた。
今日パパにおねだりして買ってもらった、
脳波を元に、見ている夢を映像化する機械。
彼の見ている夢がどうしても知りたくて。
コードで繋がれた液晶モニタに映像が映る。
夜道。うっすらと笑っているコート姿の彼。
手に握られているのはナイフだろうか。
足元に、誰かが転がっているのが見える。
画面いっぱいに、血まみれの私が映った。
PR
外出前の大げんか。夕方私が帰ってみると、
部屋の真ん中に、大きな二枚貝。
全長2メートル近くありそうな、大きな。
どうやら彼はその中に居るようだった。
声をかけても、ごめんと謝っても、
こじ開けようとしても彼は出てこない。
途方に暮れた私は、
親友のミカに相談してみる事にした。
「二枚貝の開け方?」ミカは言った。
「……塩水に浸ければ開くんじゃない?」
部屋の真ん中に、大きな二枚貝。
全長2メートル近くありそうな、大きな。
どうやら彼はその中に居るようだった。
声をかけても、ごめんと謝っても、
こじ開けようとしても彼は出てこない。
途方に暮れた私は、
親友のミカに相談してみる事にした。
「二枚貝の開け方?」ミカは言った。
「……塩水に浸ければ開くんじゃない?」
その部屋に入って僕が目にしたのは、
人の手の形をした、美しい卓上灯だった。
皮膚を透過した柔らかい白熱灯の光が、
その部屋の主である、老人を照らしていた。
「昔、世界一美しい手を持った女性が居た。
私はその手を大変愛していたので、
その手の持ち主が病で息を引き取った時、
その皮膚を、樹脂で固めて残したのだ。」
ランプシェードの薬指に美しい銀の指輪。
老人の左手にも、同じ指輪がはめられていた。
人の手の形をした、美しい卓上灯だった。
皮膚を透過した柔らかい白熱灯の光が、
その部屋の主である、老人を照らしていた。
「昔、世界一美しい手を持った女性が居た。
私はその手を大変愛していたので、
その手の持ち主が病で息を引き取った時、
その皮膚を、樹脂で固めて残したのだ。」
ランプシェードの薬指に美しい銀の指輪。
老人の左手にも、同じ指輪がはめられていた。
★ 最新コメント
★ プロフィール
HN:
Gocky
HP:
性別:
男性
職業:
演劇人兼デザイナー
自己紹介:
「HQ BRAIN」フリーグラフィックデザイナー。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。