このブログは、関西の小劇場系劇作家でもあるGockyが、少し怪しい感じの短編を、思い付くまま20文字10行でまとめあげる、ブログです。原稿用紙の半分、たったの200文字。詩と考えても短い200文字。思いのほかハードルは高く、難しいですが、ショートショート作品集としてお楽しみいただければ幸いです。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
赤い歯茎に注射針がチクリと刺さり、
私の頬に麻酔液が流し込まれる。
口内と頬の皮膚感覚が徐々に奪われていく。
「麻酔が効くまで少し時間かかりますから、
それまでちょっと説明を聞いてください。」
そう言って先生は、いつもの笑顔のまま、
大きなコレクションケースを取り出した。
ケースの中にずらりと並べられた、
様々な形の何百本もの「親不知」。先生は、
一本一本についての武勇伝を語り始めた。
私の頬に麻酔液が流し込まれる。
口内と頬の皮膚感覚が徐々に奪われていく。
「麻酔が効くまで少し時間かかりますから、
それまでちょっと説明を聞いてください。」
そう言って先生は、いつもの笑顔のまま、
大きなコレクションケースを取り出した。
ケースの中にずらりと並べられた、
様々な形の何百本もの「親不知」。先生は、
一本一本についての武勇伝を語り始めた。
PR
僕は夜型人間だから、
目覚めたら夜だったなんて事は少なくない。
しかし最近はどうもおかしい。
いつ目覚めても、いつも夜なんだ。
時計を見る。3時。午前?午後?どっち?
北極や南極は、冬になると一日中、
夜だと言う事を思い出した。
もしも、もしも僕の知らない間に、
地軸が変わってしまったのだとしたら、
そう言えば、最近やけに寒くなってきた。
目覚めたら夜だったなんて事は少なくない。
しかし最近はどうもおかしい。
いつ目覚めても、いつも夜なんだ。
時計を見る。3時。午前?午後?どっち?
北極や南極は、冬になると一日中、
夜だと言う事を思い出した。
もしも、もしも僕の知らない間に、
地軸が変わってしまったのだとしたら、
そう言えば、最近やけに寒くなってきた。
芥川も題材に取ったという絵仏師良秀の、
その芸術観の是非について話していた。
以前は画壇の寵児と呼ばれた友人も、
先日の酷評にはきっと弱っていたのだろう。
彼は、良秀などは大した事はないと言い、
筆洗の油を頭から被り、燐寸を擦った。
焔の柱。そこからは良く覚えていない。
大鏡に映る自らが焼け落ちて行く姿を、
画布に描き留めんとする狂人の腕が見えた。
彼の絵は全て燃えてしまってもう無い。
その芸術観の是非について話していた。
以前は画壇の寵児と呼ばれた友人も、
先日の酷評にはきっと弱っていたのだろう。
彼は、良秀などは大した事はないと言い、
筆洗の油を頭から被り、燐寸を擦った。
焔の柱。そこからは良く覚えていない。
大鏡に映る自らが焼け落ちて行く姿を、
画布に描き留めんとする狂人の腕が見えた。
彼の絵は全て燃えてしまってもう無い。
★ 最新コメント
★ プロフィール
HN:
Gocky
HP:
性別:
男性
職業:
演劇人兼デザイナー
自己紹介:
「HQ BRAIN」フリーグラフィックデザイナー。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。