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このブログは、関西の小劇場系劇作家でもあるGockyが、少し怪しい感じの短編を、思い付くまま20文字10行でまとめあげる、ブログです。原稿用紙の半分、たったの200文字。詩と考えても短い200文字。思いのほかハードルは高く、難しいですが、ショートショート作品集としてお楽しみいただければ幸いです。
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大荷物すぎやしないか?

待ち合わせに遅れてやって来た彼女の、

沢山の大きなバッグを見て僕はそう思った。

彼女は暗く心許なげな瞳で僕を見つめる。

白い肌の、あちこちに出来た痣が痛々しい。

暴力的な夫の手を逃れ、二人で遠くの町へ。

二度とは戻れない、一本道の逃避行。

しかしそれにしても大荷物過ぎやしないか?

「……スコップも持ってくれば良かった」

血の気配を拭いながら、彼女はつぶやいた。
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彼岸花は、死人花、地獄花などとも呼ばれ、

日本では不吉と考えられる事が多い。

何故だろうかと考えていた。

球根に、強い毒を持つからだろうか。

それとも、この鮮やかにすぎる、

火のように、燃える、赤のせいか。

彼女の骸を、一面の彼岸花の中に横たえる。

彼女の白は赤い海原に浮いているようで、

光の加減か、彼女の頬は淡い桃色に染まり、

今にも蘇りそうで。 悲しい赤。
信号が変わるのを待っていた。

隣の自転車の男が、何かブツブツ言っている。

「助けてくれないか?助けてくれないか?

 助けてくれないか?助けてくれないか?」

私に言っているのか思えば、

どうも、そうではないようだ。

荷台に細身の女が座っているのに気付いた。

どうして、すぐに気付かなかったのか。

ゆらゆら不安定に走っていく自転車の背中。

今日は違う道から行く事にしよう。
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★ プロフィール
HN:
Gocky
年齢:
51
HP:
性別:
男性
誕生日:
1972/06/14
職業:
演劇人兼デザイナー
自己紹介:
「HQ BRAIN」フリーグラフィックデザイナー。
表現ユニット「シナツヒコ」代表。演劇集団はいてっくくねくね元代表。

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Photo material 空色地図  Template by tsukika

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